『made in JAPAN』で住まい造り!! vol.-1 日本の木・樹(主に構造材)
TPPも大詰めに入る中で、農産物や工業製品だけでなく、我々の住まい造りも もう一度、見直すチャンスだと思い、ここに持論を掲げます。
高度成長期、住宅事情も目くるめく変わりました。住宅金融公庫が生まれ、誰でもマイホームを持てるようになりました。
住宅業界の景況は、他への影響も大ということで、民間銀行も貸し出しに乗り出しとにかく棟数競争を広げる様になりました。
そこで大量生産に対応できる材料を確保するために、様々なメーカーが工業製品を開発し販売する展開となります。自ずと、それらを扱う職人も変わらざるを得なくなった事は、言うまでもありません。
madeinJAPANとは、材料とそれを扱う技術、職人へも目を向けて考えます。
vol.-1 日本の木・樹(主に構造材)
日本特有の木で有名なのは、「檜」「杉」です。戦後復興の事業の一環として 檜と杉の植樹をおこなったことは、皆さんもご承知の通りです。 (その植樹した杉、檜が現在様々な自然災害を引き起こしている)
植樹された、杉・檜は高度成長期には活用されず、量を確保できる「北米材」に 眼を向けられました。量だけでなく、強度まで併せ持った「米松材」は各方面で 重宝されております。
「県産材」 「地産地消」 というワードが出始めて、13年ほどたちました。
地元の木をフルに活用し住まい造りを! という動きがでてきました。 戦後植樹された樹が、ようやく使えるような時期になったのです。
日本の木は、高温多湿の気候に耐え得る力を持って、自生しています。 この特有の風土に合い、また長持ちさせる上でも、内地材を使用する効果は高いはずです。しかし、少々悲しいのが現在の木材の基準です。強度を表す数値が 米松に比べ、ばらつきが多いのが欠点と言わざるを得ません。
住まいを支える構造材でありながら、その風格を化粧材として扱える材である事はかなり高いポイントではないでしょうか。ログハウスとは全く異種の風格と思うのは身勝手でしょうか。
ここで、これらの木材を扱うのに欠かせないのが「職人技」と考えます。 これら構造材を加工する「プレカット」は、世界を見渡しても、我が国特有の技術であることは、自国の工務店としても誇り高きことです。
しかし、コンピューターでは、判断が難しい活きてる木の見分け方は、熟練の職人の目利きが必要です。組み合わせるのに適した位置、堀込の具合調整なども、 木材の現状だけでなく、組んだ後どうなるか見極めることが求められます。
このような『日本の住まい』が、海外でどの様に評価されるかわかりませんが、 この良さは、伝わること間違いない! それは、地震や台風が多い国で、培った住まいだからです。
世界に通用できるか『日本の樹』と『日本の職人技』 次回 vol.-2は、塗り壁材と左官の技をお届けします。
『madeinJAPAN』で住まい造りは、世界に通用できるか!