静岡市葵区新通は江戸時代より、旧東海道沿いで栄えた街。その面影が所々に残っている。 間口が狭く奥行が長い敷地を、上手に活用し戸建ての住まいが立ち並ぶ。

新通の家は、築50余年の和風住宅でした。先代のお父様が、選りすぐりの材と職人で建て た住まいでした。

まだ車が必要としない時代、道路一杯に数寄屋門を構え、脇に五葉松が登り龍の如く配しておりました。

玄関木戸を入ると、ケヤキの一枚板床のホールがお出迎え。 拭きウルシで仕上たケヤキの床板は、圧巻でした。

ホールから一歩入ると、全長6間(10.9m)+4間(7.2m)の回り廊下です。天井にはヒノキの磨き丸桁がグルりと回っております。

和室2部屋と洋間1部屋の3間通しの部屋が見事でした。

その部屋から見える、和風の庭も、新通という街中に居る事を忘れるくらいでした。  

初めてうかがいこの家を見た瞬間「残さなくてはいけない!」と直感的に脳に響きました。

駐車場を設けるため、門と玄関ホールを取り壊しましたが、再利用できる材(特にケヤキの床板・框)は、職人に丁寧に撤去させ、新しい玄関に活用しました。

新築棟

最も奥にあった、水回りが集中していた離れを全面解体し、延26坪の住まいを新築する。

内装のイメージは「墨色」をベースに仕上げました。

間取りも南側隣家の隙間を利用し、 風通しと陽当りを取入れる様にしました。

2階は夫婦の部屋で風通しは抜群です。1階のお母さんの部屋も快適です。

改築棟

道路側前面に駐車場3台分設け、玄関を新たに建てました。 1階の和室は、表面のみリフォームし、3間通しの2部屋は、間仕切りも撤去し大空間の部屋に改造し、大正モダンをベースに仕上げました。

床には床暖房を設置しました。

床の間と床脇は既存のまま残し、葛布の襖や雪見障子、尾州檜の外部建具はレトロ感溢れる仕上げで 元のまま再利用しました。  古いから・・・不便だから・・・等で、壊す事は簡単です。

しかし、現代の技術以上に造られてる物を、活かす技術と眼をより一層高める事が出来た物件でした。